大丸松坂屋百貨の “売らない店” D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

こんにちは!日本未上陸の海外アートポスターのセレクトショップ『DeCasa』を運営しているAoiです!

以前こちらのブログでも発表しましたが、今年上旬にD2Cアートブランドの『DeCasa』が大丸松坂屋百貨店さまよりお声掛けいただき大丸東京店4階にある “売らない店”として話題のD2Cショールーミングスペース『明日見世(asumise)』に4月6日〜6月28日の間に出店しました!

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

今回の大丸東京店での出店がDeCasaとして初となる実店舗でのショーケースだったので、D2Cアートブランドの「DeCasa」として大丸の明日見世に出店してみた感想をシェアできればと思います。

【そもそも “D2C” って何?】
その前にさっきから出ている 『D2C』という言葉が何かと説明しますと「Direct to Consumer (D2C)」の略で近年色んな業界のブランドがネット販売を活用して消費者に直接アプローチして販売することを言います。

「でも、それって今あるネット販売と何が違うの?」と疑問が浮かぶと思いますが、最近話題の『D2Cブランド』の特徴としては:
・SNSや自社のメディアに力を入れて
・実店舗や広告に極力頼らず
・コストを抑えながら
⇒急成長するブランドが見受けられます。

もちろん実店舗を持っているD2Cブランドもおりますが、多くの駆け出しのD2Cブランドは主にSNSを活用して実店舗を持たずして直接ネット販売しているケースが多いです。

簡単すぎる説明かもしれませんが、D2Cブランド = 『SNSとネットを上手に活用して消費者に直接売る若手ブランド』とでも考えて頂ければ...!

【D2Cが注目されている理由】
そんなD2Cブランドが今、小売業界で注目されている理由はもちろんここ10年間ほどの『SNSの発展』と『情報が伝わるスピード感』です。

ソーシャルメディアを巧みに使い、そのスピード感があるからこそ無名ブランドから一気に人気&有名ブランドになったD2Cブランドのケースが世界中にあり、D2C市場はまだまだ成長中&リテール業界の多角化に繋がるという予測があるので注目されています!

【D2C x Web 3.0】
スペインで別の事業を起業をして5年目で、「DeCasa」をゼロから立ち上げてから1年ほど経ったなか、DeCasaをD2Cアートのブランドとしてスペイン日本の2拠点から経営をしていて個人的に楽しみになのがやはり「Web 3.0の到来」です!

Web 2.0の2010年代には、ブランドとインフルエンサーがタッグを組みSNSのプラットフォーム上でブランドのコンテンツをシェアしてきましたが、2016年頃からインスタやYouTubeに「アーリー(早いうちに)に入ったブランド」と「大きな資本を持つブランド」がドミナントな戦場が出来上がったかと思います。

そんななかWeb 3.0の特徴として、オリジナルコンテンツの “オーナーシップ” がプラットフォーマーからコンテンツクリエイターに戻る『Web 3.0』の (re-)startが、今後どういう風にブランドエクイティの構築に影響するのか、自分のブランドを創る立場として興味深いです。

Web 2.0がもたらした「シェアラブル(共有できる)」&「コネクティビティ(繋がっている)」の当たり前が、それまで存在したあらゆるバリアを崩したことから、英語で ‘Equal Opportunity’(平等な競争条件と公平性)の概念を意味する “leveling the playing field”と評されることが多いですが、Web 2.0のはじまりから10~15年ほどが過ぎ、私が自分のD2Cアートブランドを立ち上げてから初年度にWeb 3.0のスタートが見えてきて、これからのブランドビルディングについてワクワクします!

実際にちょうど先日、DeCasaのスペイン人アーティストである『Alba Blázquez』が「DIESEL」(ディーゼル)の新フレグランス「Diesel D by Diesel」とNFTとデジタルアート領域でコラボを実施したのですが、このコラボも2020年より新生DIESELのクリエイティブ・ディレクターに就任したグレン・マーティンス(Glenn Martens)がジェンダーレスかつサステイナブルな次世代の価値観を共に具現化できる若手アーティストを探して実現したものだったので、価値観の生まれ変わりを感じます。

D2CとWeb 3.0について長くなってしまったので... こちらについてはまた別のブログで書きます!

【大丸との出会い】
すべては一本のご連絡からだったのですが、とある日、大丸松坂屋百貨店のDX部のご担当者さまより大丸東京店4階にある『明日見世(asumise)』というD2Cショールーミングスペースに出店してほしいとお声掛けをいただき、

正直「え、大丸ってあの心斎橋の百貨店??本当に!?」と言う感じでした。

だって率直に述べますと大丸松坂屋のような高級百貨店が私たちのような始まったばかりの小さなブランドと一緒に何かをするって10年前では考えられなかったと思うんです。Web 2.0の話に戻りますとやはりそれだけ情報の発信と収集の主戦場がSNSに転換したのかなと思いました。

また、先ほどあった新生DIESELと若手アーティストのAlbaのコラボの例でもそうですが、メディアと価値観の変化に大手リテーラーの新たなプレミアムを “(再)発掘しようとする” 本気度も感じます。

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

【DeCasa x 大丸・明日見世】
今回の大丸東京店「明日見世」での展示のテーマが『暮らしを良くするヒントとであう』だったので、DeCasaが目指す『アートを通じて様々な女性の社会活躍の応援する』メッセージをライフスタイルのショールームで3か月に渡り発信でき、明日見世に出店中にはスペインルクセンブルクイギリスイタリアアルゼンチン大使館よりもDeCasaのアーティストたちをご紹介いただきました!

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

アルゼンチン大使館の書記官および文化部ご担当者様より大丸東京店4階のD2Cショールーミング・スペース「明日見世」にご訪問いただきました!

また、最近フォロワーがただ多いだけではなく社会的な問題について提唱する影響力を持つインフルエンサーを Key Opinion Leader (KOL)と呼ぶのですが、DeCasaのミッションである『女性の社会活躍 x ダイバーシティ』を自らのキャリアで描くDeCasaの若手女性アーティストたちを「なでしこ銘柄」にも指定されているJフロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店の母体)と一緒にKey Opinion Leaderとしてショーケースできたのは大変貴重な経験となりました!

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

※「なでしこ銘柄」とは、経済産業省と東京証券取引所が共同で「女性活躍推進」に優れた上場企業を選定する取り組みです。⇒ 詳しくはこちらの経済産業省HP「なでしこ銘柄」より

大丸松坂屋百貨店が運営するショールームに出店して印象的だったのは高級百貨店ならではの「接客の丁寧さ」で明日見世を運営されているご担当者さまも皆本当に丁寧で気さくで奥ゆかしく、日本を代表するリテーラーの質の高さと「先義後利」の義商の理念を感じれました。

今のリテール業界で「ネット販売(EC)vs リアル(店舗)」の分け方がありますが、職人技のような接客はネット販売ではまだ難しいのかなと思うので、今後各社の体験型店舗の“売らない店”が増えるなか、ホテルに似たような接客や体験・サービスが差別化のキーになるのかなと出店者目線より感じました。

最後に「D2C = SNSの時代」と冒頭で述べましたが、大丸松坂屋百貨店のような大企業のメディア力(新聞社、出版社・雑誌、テレビなどへの掲載)には正直びっくりしました。

もちろん市場を動かせるほどのリテーラーが何か新しいことをするとメディアの興味を引くのは当然なので、この "David and Goliath"な「大手リテーラー」と「アップ&カミングの若手ブランド」の今後のコラボの行方が大変興味深いです!

今回の大丸東京店「明日見世」の出店がDeCasaにとって初めてのリアル店舗に出店する機会となったのですが、私たちのような駆け出しの会社が東京駅や丸の内という好立地に店舗を持つ経験を学ぶ機会となり良かったです!

D2CとWeb 3.0について思うことはまた別のブログで書ければと思います。

⇒ DeCasa | News & Mediaはこちら

▼DeCasaとは
DeCasaは日本未上陸アート&ポスターのセレクトショップ。ヨーロッパ有数の芸術の街『スペイン・マドリード』と葛飾北斎のゆかりの地『信州・小布施』の2拠点をベースに、国際色豊かなチームがアート作品のキュレートをしており、スペイン、イタリア、ベルギー、ドイツ、イギリス、ルクセンブルクなどヨーロッパで活躍する若手アーティストによる日本未上陸作品を販売しています。https://decasa.jp

▽DeCasaの創業者について

大丸松坂屋百貨の “売らない店”  D2Cショールーム「明日見世」に出店してみた感想

松下 葵 | Aoi Matsushita

⻑野県⽣まれ。高校卒業まで信州で過ごし、ニューヨーク州立⼤学政治学部に入学。
卒業後は東京のイベント会社へ⼊社、海外PR・マーケティングを担当。

結婚を機に夫婦で起業を決意し、スペイン政府主催の起業プログラムに採択され2018年にスペイン・マドリードにてプロカメラマン予約の『Totte』を創業。スペイン、ポルトガルなど南欧を中心に13都市・5か国にてサービスを展開。Web Summit Lisbon 2018 ALPHA Startupや South Summit Madrid Top 400 Startup, NTT Data eAwards(旧 Everis Awards)Semi-Finalなどに選出後、国内外の投資家より資金調達を実施。

スペインに移住後はファッション誌「ELLE」とマドリード・コンプルテンセ大学にてPR & Visual Merchandising Diplomaを取得し、その後「ELLE Education」にてウェディングプランナーの研修を修了。

2021年よりヨーロッパのアート&ポスター「DeCasa」の代表取締役を務める。

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